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- 2017/7/6
《ドクターズコラム》2017年夏「座りすぎに注意しましょう!」【しまばら病院】
「日頃何時間くらい運動していますか?」と聞かれることはあっても、「一日に何時間座っていますか?」と聞かれることはあまりないかもしれません。
通常、運動ととらえられる中等度から高度の身体活動は成人における一日覚醒時間のわずか5%程度しかありません。大半の時間を低強度の身体活動および座位行動(座位およびそれ以下の行動)で占めています。
一日の総座位時間が、4時間未満の成人に比べ、4〜8時間、8〜11時間、11時間以上と長くなるにつれて世界保健機構(WHO)による推奨身体活動量を充足していたとしても総死亡危険が11%ずつ高まるといわれています。一時間テレビをみるたびに21.8分寿命が縮まるというデータもあります。
そのほかに座りすぎが関係するものとして、肥満・体重増加・糖尿病・がん・冠動脈疾患の増加があります。
座りすぎが体に悪い理由として、座ると筋肉の運動量が減りカロリー消費が減少することや体の代謝に悪影響を及ぼすことなどがあるとされています。
世界20の国で座っている時間(座位行動時間)を比較したところ、日本人の座っている時間が一日420分と最長でした。オーストラリアなどは国を挙げて座りすぎ対策に取り組んでいます。小学校では、机の高さが調節できるスタンディングデスクを使って座りっぱなしの時間を減らしたり、クラス全員で30分以上立って過ごしたり工夫をしています。成人には職場では一日に2時間以上立って過ごすことを勧めています。
座位行動の代表的なものであるテレビ視聴時間では、成人のどの世代をとってみても60%以上の方が一日2時間以上となっています。高齢者では視聴時間が2時間以上の方が8割にも達します。若い世代ではパソコン利用時間が長いのも見受けられます。座位による悪影響を少しでも軽減させるために、30分以上連続して座らず途中で立つなどほかの動作を行うことをお勧めします。
第52号 しまばら通信より・2017年 夏
<このコラムの執筆:循環器科副部長 中村 琢治>
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